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BBCニュースより ダライ・ラマ語る

  BBCニュースより紹介です。

 彼が宗教的指導者だという事で政治とは関係ないんじゃないか?と思う人もいるかもしれませんが、フランシスコ教皇と同じように彼もまた国の指導者でもあります。

 政治的にも大きな意味を持っているのが仏教やキリスト教の指導者です。

 一般的には宗教の教えだけ説いている人、と思われがちですが、その言葉には深い意味があります。

 特にカトリックの先導者たるフランシスコ教皇の言葉には、政治的牽制を感じることがあります。

 勿論、僕たちに言っているのではありません。
 こうした大きな力を持つ人の言葉は、同じく大きな力を持つ人へ伝えている意味もあるのです。

 親の行いの意味や、親が社会でしていることが何か子供に想像がつかないように、彼らのような立場にならねばその発言の意味は確実にわかりません。

 しかし、社会では表向きと裏側で行われていることが違うのだ、と少なくとも彼らは知っています。
 こと国の指導者同士はそうです。

 ですから、僕たち一般人が知りえないことを知った上での発言だと思って、今回紹介する内容のような「題材」への発言は聞いていくと良いでしょう。

 同じ状況を把握していなくては、その言葉は理解できません。

 僕も仏教的なことはわかっても、国を背負う立場になったことがないのでその全てはわかりません。

 しかし、他の場面から、また仏教を指導する立場での彼を見てきて、彼という人物を信頼しているので「何か意味がある」と思って常に聞いています。

 自分が理解できないから間違っているのではないのです。
 同じ立場になったこともないのに、理解できると思っている自分自身が傲慢なのです。

 そして、インタビューの中で女性が後継者になったなら…という話題で、彼が言う「魅力的」の意味がこの人にも大勢の女性にも「理解できないのだな」と、強い反発を彼に向けるインタビュアーの様子を見て残念に思いました。

 僕は彼がある東大教授との対談でも似たような攻撃をされていた場面を見ました。その時も「これが日本の頂点だ」と思われたくないなと残念に思いました。

 穏やかに話を聞くこともできず、どんな「単語を言ったか」ですぐに攻撃的になり、人を否定的に見る。

 こんな人々の姿を見て、彼は心を痛めていることだろうと思いました。

 このインタビュアーの女性も、彼が何をしたわけでもないのに自分自身の問題や怒りを彼にぶつけているだけです。
 今彼が何をしたわけではないのに、「私たちをお前は怒らせた」と批難しているのです。

 冷静で賢い女性ならば
 「あなたの言う魅力的とは、私たちが言う魅力的とは恐らく意味が違うと思いますが」
 と言うでしょう。

 彼のような人と、自分を同じだと思っている。
 愚かなことだと思いました。

 言葉は同じものを使っても、「同じ意味ではない」とわからないのです。
 違う境地を知る人の言葉を、自分と同じ意味で捉える。
 大人の言う事を子供の使う言葉の意味で捉えると間違うように、「同じ立場と役目」を背負わなければその意味はわからないのです。

 僕も日ごろから愚かな判断をしないよう注意しています。
 自分が体験していない場や立場にある人の言葉を、自分が使った時と同じ意味で捉えることこそ、「他人と自分の区別がついていない」人だからです。

 多くの女性が女性をモノ扱いしていると怒る、と言っていたインタビュアーですが、モノ扱いされてきたのはあなたであり、あなたの両親でしょう、と僕は言いたくなるのです。

 心理学者フロムがガンジーについて
 「彼が言う事や行うことを、我々と同じ意味に捉えてはいけない。彼は恐らく既に悟りを開いている。」
 と言っていたそうですが、ダライ・ラマもまた同じです。

 今はわからないけれど、きっと意味があるのだ。
 そのうちわかるのだ。

 という思考は、やはり信頼する親が言う事の意味がわからない時に思うものなのでしょう。後になって「こういうことだったのか」という体験をして、後にならねばわからないものだと知るのですから。

 彼が中国は変わってきた、と言うからには、やはり裏で動きがあるのだと考えるべきでしょう。
 秘密裏に動いている人たちのやり取りがあるのですから、「変わってきた」の意味は非常に大きいと思います。

 ニュースは常に他人が発信しているものですから、特に政治的な意味合いを持つ「お知らせ」でしかないような内容のものは、実際には何が起きたのかを考えると良いでしょう。

 僕たちが知らされるのは常に「表向き」の事実でしかないのですから。