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あなたのために存在している神はいる

 自分にとっての神は、自分自身である。

 あなたにとっての神は、あなた自身である。

 あなたは他人の神ではないが、あなたの神はあなた自身である。

 神は他人の保証を必要としない。

 神は常に正しい。

 自分の神は自分の中にいるのだから、自分の中の神に聞けば良い。

 誰かに聞かないと不安になるのは、自分の神の声を聞き、それを信じないからである。

 自分にとって唯一の神を信じることなく、他人の神を信じて理想を叶える奴隷となった。

 それが現代社会の人々だ、と僕は思う。

 他人の語る理想郷に連れて行ってもらえると思い込んで、人の言うなりになっている。

 他人の神はあなたがうまくできない時にはあなたを許しはしない。

 あなたの神ではないのだから。

 そして理想通りにできない時は、あなたを見捨てていく。

 あなたを救うのは他人の神ではないのだから。

 自分の中にいる自分の神を捨てた。

 そして、どこかに自分を救う神がいないか探し求めているのだ。

 「神は最初からそこにいた」

 教会で聞いた話を思い出す。

 最初からそこにいたのだ。

 神を失った人々は他人を救うための神になってみたり、他人を神にして崇めてみたり、自分一人の中で行うことを他人同士でやっている。

 まったく、滑稽なことである。