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それはダメ女だと彼女は言った

有料会員向け記事より抜粋

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 本当に幸せな結婚をした人が言っていた。
 自分について考え、結婚など自然に任せると言って生きてきた女性だった。

 本当に愛し合う結婚をした後、伴侶を批難し続ける人にこう言っていた。

 「ダメ男捕まえるのも、ダメ女なんだからね。」

 確かに、いい女は付き合った相手がどんな男でも悪口を言わない。それは自分の首を絞めることだと知っているから。
 いい男も、付き合った女を見下して人に言いふらさない。それは自分の力量の無さでしかないと知っているから。

 いい女もいい男も、恋人や夫婦はセットの関係だと知っているから、比較して優劣を競えるものだと思っていない。

 相手を批難して自分の方が可哀想、偉いなどと言える人は、結局恋人にも伴侶にもなれていないのだ。

 それでは関係性が「競争相手」になってしまうのだから。

 そんなことは、異性としての自信がなく、相手に好かれる自信がないから別の関係にして誤魔化す人がすることだ。

 いい女と付き合った方がいい。
 いい男と付き合った方がいい。

 自分たちはセットだから、相手の足りなさは自分がカバーすると知っている人たちだから。

 とはいえ、それは「人より優越するために生きている人」ではない場合の時だけだが…。


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 どんな相手ともどんな関係でも、優劣を競わずにいられない
 どんな相手にも優越した立場になり、自分の望みを叶えさせる奴隷たちに囲まれたい

 一生誰とも愛し合うことはできない人ですが、夢が叶うといいですね

 僕は早くにそれを諦めてしまったので、バカにされても気になりません

 相手が如何に優劣を競っていても、こっちが競っていないなら気にはなりません

 「この人は張り合いたいだけだったんだ!」
 とわかりますからね

 相手に嫌なところがある、悪いことをしたから批難すると思う人は、勘違いです

 それは自分自身の目的が対等な立場である恋人として付き合うことではなく、どちらが優れているかを競争したがっているからです

 どんなにできても、恋人に賛辞されてちやほやされませんよ
 そんな関係気持ち悪いですね

 偉い!すごい!

 「あなたは女神のような人だ」

 とか恋人に賛辞されて気持ち悪くないですか

 僕は気持ち悪いです
 そうした賛辞をされることはありますが、怖いです

 恋人にやられたら怖いです

 恋人がそんなことを言いません
 自分の彼氏を賛辞するのって、結局自分のことを褒めているだけですからね
 彼女が自分なのですから
 僕を褒めたのではなく、褒めながら自分に酔っているだけです
 相手を褒めると自分はその彼女だから、自分は優れていると思えるのです

 だからこそ、自分が劣等感を抱え、欲しいと願っている部分に対して過剰に褒めちぎります
 これがまた、非常に不愉快なのですが、言ってもやめてくれません

 「嫌だから言わないで」
 と言ったのに喜んで言い続ける
 本当にそんなことがあります
 聞いていないのです
 聞く気がないというか、相手が不愉快でも気にしないのです
 自分が嬉しいのです

 友達にもそんなことしませんよ
 対等なのですから

 恋人であるはずの彼女が、何をしても賛辞してきたら不愉快になります
 恋人の褒め方はそんな風ではありません

 自分に言うのと同じなのですから


 賛辞する人はバカにしたり罵倒もします
 自分が優れていると誇示したいことを利用して罵ります

 だから嫌なのです

 恋人になんかなっていないんですよ
 それは伴侶でもありません

 それは恋人や伴侶の形を借りて、優劣を競う比較対象にしただけです
 ずっとずっと相手を批難しながら一緒にいれば、常に優越感を持てますから
 また、劣等感を抱える部分を補うため、取り込みの一部として賛辞できる人を選んだだけです

 ある人は言いました

 「自分の子供や旦那の悪口言う人って、自分の首絞めてるってわからないんだろうね。」

 わからないのだと思います。
 相手を批難すると同時に自分も一緒に批難したも同然です。

 こうした人は、懸命に相手を批難していても反論されると、「自分を庇っているのだ」とわからないのです

 「そんな男の嫁であるこいつ」ということになりますから、自分を尊重してくれるなら伴侶もやたら批難できません
 その人とセットの存在です
 結婚したのはその人です
 つまり、その人を捕まえたのです

 誰とも夫婦になれない
 というより
 他人とチームになれない、孤独なスパイです
 伴侶のふりをしていますからね
 スパイですね

 人の悪口を言うならば、自分とは正反対のことをしている自分と対立している人にした方が遥かにマシです
 立場上自分の味方、仲間である人を罵倒したら、自分も一緒に貶めます

 ナルシストは誰とも関係性を作っていません

 常に自分が単独のつもりで生きています

 親も友達も親友も恋人も、自分から見たら全員同じ立場です

 自分とその他、ですから


 自分の恋人を悪く言ったら、そんな女と付き合わなければならない自分、と情けなくなります
 だったら別れればいいのですから
 そして、何よりも自分さえうまく接することができれば、相手は関係なくうまくやっていけます

 嫌なら別れればいいだけです

 こと一対一であれば、相手が誰でもうまくやろうと思えばできます

 我慢しなくてはうまくやっていけない相手は選ばないだけです


 当然、自分のことを心の中では見下している友達だけが、話を聞いて一緒に罵倒してくれるのです
 優越感に浸れます

 逆に、いい男、いい女を捕まえると面白くないので、なんとかして相手を悪い人だと思わせるよう、ちょっと悩んでいたらすぐに悪い方に結び付けます

 それはもう

 よくある、非常によくある険悪な友達の関係なので、ただ覚えておいてください

 相手もうまく行っていないのです
 自分が不幸であるのに、友達が幸せになるなんて許せない

 それが心理的には険悪な友達です


 不幸な人と仲良くしたい人は、幸せになるわけにはいかないのです

 幸せになったら仲間外れにされてしまいます

 それもまた、よくある話です


 仲間も途中から、幸せになる組と、ならない組に分かれていったりしますね


 恋人に褒めちぎられて本気にしないように
 賛辞なんて変な真似しませんよ

 ただ、自分が劣等感を抱えている部分を自覚しないために、賛辞する対象者が必要なのです


 自分を受け入れるまで、人はこうして誰を相手にしても劣等感を補う道具にしてしまうのです

 友達ならまだマシですが、恋人ではやらない方がいいでしょう

 ひとりしか選べない立場の人ですから